ホームヘルパー養成研修内容
講義
●基礎知識の習得
福祉に携わる上での基本的な考え方を学びます。
「福祉」とは何か?(福祉の理念)
なぜ、福祉が必要なのか?(ケアサービスの意義)
QOL(クオリティ・オブ・ライフ)・・・生活の質
ノーマライゼーション
自立支援
などの知識を学びます。
●様々な福祉制度について
介護保険制度を初めとして、年金、医療保険、生活保護、成年後見制度などの各制度を学びます。
また、全体的な福祉制度の中で、ホームヘルパーの位置づけも学びます。
ホームヘルプサービスとは?
介護保険におけるホームヘルパーの役割、位置づけなど
ホームヘルパーの持つべき倫理
●実践的な介護知識の習得
心身に障害を持っている人について、どんな障害があるか?また、それらへの対処法
具体的な介護の技法について
・在宅におけるリハビリや健康管理
・生活援助の方法
・福祉用具の知識
●マネジメントの勉強
他の介護サービスのことを理解したうえで、利用者にとって最適なサービスを総合的に考える「マネジメント」について学びます。
マネジメントは、ケアマネージャーの領域になりますが、ホームヘルパーも最低限必要な知識です。
実技研修
実技研修は、ロールプレイング形式で行われます。
受講者同士が、ホームヘルパー役と利用者役に分かれ、実際の介護現場を想定しながら訓練を行います。
●利用者との信頼関係の構築
利用者に対する言葉遣い、接する態度
相手の気持ちに立ったふるまい
など、介護の基本となる、利用者との信頼関係の作り方について、ロールプレイングで学びます。
●介護技術の習得
・食事の介護
・排せつ
・衣服の着脱
・入浴
・体位変換
・移動介助
などの、実践的な介護技術を学びます。
●緊急時の対応
・誤嚥
(食物や唾液が気管から肺の方へ侵入する現象)の際の異物除去
・人工呼吸
・心臓マッサージ
などの、緊急時の対応を学びます。
また、介護をする本人(ホームヘルパー)自身の健康管理についても学びます。
介護現場は、ハードワークになりがちです。肩こりや、感染症などについて学びます。
●記録の作り方
一通りの介護技術を習得したら、
介護計画を作成したり、業務後の記録・報告を行うための知識を身につけます。
現場で働くホームヘルパーの場合、実際に介護計画を作成する機会はないかも知れませんが、計画作成の手法を学んでおけば、
利用者の立場にたった介護を進めやすくなります。
また、上司やケアマネージャーに対する報告の方法を学ぶことで、現場の情報交換をより円滑にでき、介護サービスの質の向上が図られるので、
非常に重要な研修なのです。
●レクリエーション技術
実技の最後には、レクリエーション技術を学びます。
介護施設などで、みんなでゲームなどをしていますが、そうした技術を学びます。
楽しみながらレクリエーションをすることで、利用者は感情が豊かになり、身体能力の衰えを防ぐ効果が期待できるので、
これも非常に重要な技術なのです。
実際の研修では、色々な実例に基づいて行われるので、介護現場の実際を想定し、ロールプレイングといえども真剣に行うようにしましょう。
実習
ホームヘルパー養成研修の最後は、実習があります。
今まで習得した知識や技能を、介護の実際の現場で実践していきます。
実習は、老人保健施設や、福祉施設などで行われます。
実習では、事前にオリエンテーションが行われ、現場では介護職員の指導のもとに進められます。
また、現職のホームヘルパーに同行して、利用者宅へ訪問し、訪問介護の実際を経験することもあります。
訪問介護以外では、デイサービスセンターや、訪問看護ステーションなどへ訪問し、実際にどんな業務が行われているかを学びます。