ホームヘルパートラブル解消法

ホームヘルパーとして実際に働き出すと、様々なトラブルに遭遇します。
そうしたトラブルに、どのように対処すべきかを、解説します。

利用者に怪我を負わせてしまった場合

介護中の事故として、
・移動介護中の転倒
・急な温度変化による体調の異変
・入浴介助中の事故
・食事介護中に、食べ物をのどにつまらせる

などが考えられます。
外傷など、外形上の変化がある場合は、応急処置をしましょう。
出血が見られる場合は、すばやい止血を、のどに食べ物がつまった場合は、のどの奥に指を入れて吐き出させる、などの応急処置が必要です。

その後、必要に応じて救急車の手配をしたり、医師を呼んだりしてください。
必要なのは、相手の状態観察を怠らないことです。
救急車や医師が到着するまでの間、 相手の状態をよく見て、いざという時は人工呼吸を施すなどの処置が必要です。

研修で学んだことを、常に反復して練習しておくことが大切です。
自治体や消防庁などが実施する、救命法の講習を受けたりして、普段から備えておくようにしましょう。

利用者との感情のズレがあった場合

ホームヘルパーは、人間相手の仕事です。
しかも、相手は介護・介助を要する高齢者の方がほとんどです。
高齢者の方は、様々な不安を抱えていたり、思うように身体が動かないためにストレスを抱えていたりします。
そうした中で、利用者との感情のズレによるトラブルが、実は非常に多いのです。

このような場合は、まずはホームヘルパー側の対応が求められます。
基本は、第一印象です。
●利用者宅に訪問したら、まずは明るい口調で挨拶する。
●相手の表情を読み取って、受け答えをする。
●作業をする時には、「?をします」などの声掛けを行う。
●相手の気分をほぐすような話題を心がける。

などの対応をしましょう。
ポイントは、「相手の気持ちを尊重すること」です。
利用者によったら、「ホームヘルパーなんかいらない」「もう来るな」などと、露骨に不満を口にする場合もありますが、 不安を抱えた高齢者の気持ちを考えて、冷静に対処するようにしましょう。

物品を壊してしまった場合

例えば、洗い物をしていて、茶碗を割ってしまった。
掃除をしていたら、誤ってツボを割ってしまった。
など、物品を壊してしまう場合もあります。

その場合、すみやかに利用者やその家族に報告しましょう。
すぐに報告しないと、「隠したのではないか」という、不信感を持たれてしまうこともあります。
次に、自分の上司にすぐに報告してください。

相手の物品を破損した場合に備えて、あらかじめ「在宅福祉サービス総合補償保険」 がかけられているケースが多いので、具体的な補償は、その保険で補うことになります。

ただし、保険で補償されているからといって、「お金だけで済まそう」という態度は、絶対にしないこと。
ホームヘルパーの仕事の基本は、利用者やその家族との信頼関係にありますので、誠意をもった謝罪や対応が、 なにより必要になるのです。

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