ホームヘルパーの医療行為
これからの介護職は、医療との密接な連携をしていくことが欠かせない技能になります。
医療制度改革や、介護保険制度によって、重い疾患を抱えたまま介護サービスを受ける機会が、非常に増えてきているのです。
そうした意味では、ホームヘルパーも医療に関する知識を持ち、医師や看護師との密接な連携が重要になるのです。
今までは、ホームヘルパーは「やってはいけない」という医療行為が多かったのですが、介護保険制度の改正により、
医療行為の一部が緩和されることになりました。
原則として「医療行為」ではないと考えられるもの
1.水銀体温計、電子体温計などによる体温測定
2.自動血圧測定器による血圧測定
3.爪きりや、爪のやすりがけ
4.歯ブラシなどを使った口腔ケア
5.軽い切り傷や擦り傷、やけどなどのガーゼ交換
6.耳垢の除去
7.市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器を用いた浣腸
8.自己導尿を補助するためのカテーテルの準備
などです。
介護保険制度の改定で、出来るようになった行為
介護保険制度の改正によって、以下の行為は医師や看護師が確認した上で行うことができます。
1.皮膚への軟膏塗布(褥瘡の処置をのぞく)や、湿布貼付
2.目薬などの点眼
3.パッケージ化された内服薬の内服介助
4.肛門からの座薬挿入
などです。
ただし、新たに認められた上記の行為は、
●患者の容態が安定している。
●医師や看護師による連続的な容態観察が必要ない。
●誤嚥や、肛門からの出血の可能性がない。
という、3つの条件を、医師や看護師が確認した上で行うことができます。
介護保険制度の改正によって、ホームヘルパーの業務の守備範囲が広がったということになります。
また、そのことによって、より現場で柔軟な対応が可能になるという、喜ばしい一面もあります。
ただし、ここで述べたホームヘルパーの医療行為については、定められたことを絶対に守るという、強い意識が必要です。
もし、認められていない行為で、利用者になんらかのトラブルが発生した場合、その責任は重大だといえます。